フリーランスの税金・経費の基礎知識
公開日: 2026年4月25日
フリーランスが払う主な税金の種類
会社員と異なり、フリーランスは自分で税金を計算して納付する必要があります。主に以下の4種類の税金と負担があります。
所得税
1年間の事業所得(売上 - 経費 - 各種控除)に対して課税されます。税率は所得金額に応じた累進課税(5%〜45%)で、基礎控除48万円のほか、青色申告特別控除(最大65万円)なども活用できます。毎年2月16日〜3月15日に確定申告を行い、その後指定日までに納付します。
住民税
前年の所得をもとに計算され、翌年6月〜翌々年5月にかけて4回に分けて納付します(普通徴収)。税率は所得の約10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)で、均等割(年約5,000円)も加算されます。
消費税
前々年の課税売上高が1,000万円を超えた場合に消費税の課税事業者となります。インボイス制度(適格請求書等保存方式)の導入により、取引先から求められてインボイス登録をした場合も課税事業者になります。課税事業者は売上にかかる消費税から仕入れにかかる消費税を差し引いた額を納付します。
社会保険料
フリーランスは国民健康保険と国民年金に加入します。国民健康保険料は前年所得に応じて計算され、自治体によって異なります。国民年金は2026年度は月額16,980円(定額)です。会社員と比べて手厚い厚生年金がないため、iDeCoなどで老後資金を自分で用意する必要があります。
経費になるもの・ならないものの基準
経費として認められるのは「事業のために使ったお金」です。「事業との関連性」が証明できるものが経費となります。
経費になる主な支出
- 通信費 — 仕事用スマートフォン・インターネット代(プライベートとの按分が必要)
- 交通費 — 打ち合わせや取材のための電車・バス代、ICカードの記録を保管
- 消耗品費 — 文房具、プリンター用紙、USBメモリなど1点10万円未満のもの
- 外注費 — 仕事の一部を他のフリーランスに依頼した費用
- 地代家賃 — 自宅兼事務所の場合、仕事に使っている面積の割合で按分可能
- 水道光熱費 — 自宅兼事務所の場合、仕事に使っている時間・面積の割合で按分
- 書籍・セミナー費 — 仕事に関係する専門書、勉強会・セミナー参加費
- ソフトウェア・サブスク費 — Adobe、Slack、Notionなど仕事に使うツールの料金
- 接待交際費 — クライアントとの食事代(明確な事業目的が必要)
経費にならない主な支出
- プライベートの食事・旅行・趣味にかかる費用
- 所得税・住民税(事業の経費にはならない)
- 国民年金保険料(社会保険料控除として別途控除可能)
- 罰金・反則金(交通違反など)
領収書・記録の保管が最重要
経費として申告するには証拠書類が必要です。領収書・レシートは7年間保管義務があります。クレジットカード払いの場合も明細書を保管しましょう。現金払いが多い場合は、その日のうちに家計簿アプリや会計ソフトに記録する習慣をつけると楽です。
青色申告のメリットと手続き
フリーランスなら必ず「青色申告」で確定申告することをおすすめします。白色申告に比べて手間はかかりますが、税制上の大きなメリットがあります。
青色申告特別控除(最大65万円)
複式簿記で記帳し、電子申告(e-Tax)を利用すると最大65万円の所得控除が受けられます。年収600万円の方で税率20%の場合、65万円の控除で約13万円の節税になります。簡易的な記帳の場合は10万円控除になります。
青色事業専従者給与
配偶者や家族が実際に仕事を手伝っている場合、適正な給与を経費として計上できます。白色申告では配偶者86万円、その他の家族50万円の上限があるのに対し、青色申告では実際に支払った給与を経費にできます。
純損失の繰越控除
事業が赤字になった場合、翌年以降3年間にわたって黒字から繰り越して控除できます。起業初年度や設備投資の多い年に赤字が出ても、次年度以降の節税に活かせます。
青色申告の始め方
青色申告をするには、開業届と同時に(または開業から2か月以内に)税務署に「青色申告承認申請書」を提出します。その年の確定申告(翌年3月15日まで)から青色申告が適用されます。会計ソフト(freee、マネーフォワード クラウドなど)を使うと複式簿記の記帳が大幅に楽になります。
フリーランスの税金計算の流れ
- 売上(年間の請求書の合計)
- マイナス 必要経費(交通費・通信費・外注費など) = 事業所得
- マイナス 青色申告特別控除(最大65万円) = 事業所得(控除後)
- マイナス 各種所得控除(基礎控除48万円、社会保険料控除、iDeCo掛金など)= 課税所得
- 課税所得 × 税率(5%〜45%) = 所得税額
- マイナス 税額控除(住宅ローン控除など) = 納付所得税額
住民税は課税所得の約10%が翌年に請求されます。予め翌年の住民税も含めて手元に確保しておきましょう。所得が多い年は、所得税の予定納税(7月・11月)も発生します。
よくある質問
参考・出典
- 国税庁「青色申告制度」 — 青色申告のメリット・承認申請の手続き
- 国税庁「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」 — インボイス登録の要件と仕入税額控除
- 全国健康保険協会 — 健康保険料率の公式情報
関連ツールで計算する
- 副業・個人事業主の税金計算 — 事業所得から所得税・住民税の目安を計算
- 国民健康保険料計算 — 前年所得から保険料の目安を試算
- iDeCo節税シミュレーター — フリーランスは上限が大きく節税効果が高い
- ふるさと納税控除額シミュレーター — 事業所得から控除上限額を計算
※ 税金の計算は個人の状況により異なります。正確な申告には税理士または税務署にご相談ください。