てもりやてもりや

賃貸vs持ち家、10年間のお金を比較する

公開日: 2026年4月2日

「賃貸か持ち家か」は単純な損得で決まらない

「家賃を払い続けるのはもったいない」「持ち家のほうが資産になる」という意見がある一方、「家を買うと身動きがとれなくなる」「修繕費がかかる」という声もあります。この問題には明確な正解がなく、個人の状況・価値観・将来設計によって最適解が変わります。

大切なのは「どちらが絶対に得か」を求めるのではなく、自分のライフスタイルと経済状況に合った選択をすることです。ここでは、お金の観点から両者を比較してみましょう。

賃貸の総コスト(10年間の試算)

東京近郊・2LDK(家賃13万円/月)の場合の10年間コストを試算します。

費目概算
家賃(月13万円 × 120か月)1,560万円
初期費用(敷金・礼金・仲介手数料)約52万円
更新料(2年ごと・家賃1か月分)約65万円
引越し費用(2回程度)約20万円
10年間合計約1,697万円

10年後も手元に資産は残りませんが、引越しの自由・設備修繕の家主負担・ライフスタイル変化への対応力という利点があります。

持ち家の総コスト(10年間の試算)

同エリア・同水準の新築マンション購入(4,500万円・35年ローン・金利1.0%)の場合の10年間コストを試算します。

費目概算
購入諸費用(登記・ローン手数料など)約180万円
住宅ローン返済(10年間)約1,283万円
固定資産税(年約15万円)約150万円
管理費・修繕積立金(月3万円)約360万円
10年間合計(支払ベース)約1,973万円

10年後には物件の資産価値(4,500万円の物件が仮に3,800万円になったとして)と残債(約3,300万円)の差額500万円程度の純資産が残ります。ただし、市況によって価値は上下します。

賃貸・持ち家それぞれのメリットとデメリット

賃貸のメリット

  • 転職・転勤・ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる
  • 設備の故障・修繕は基本的に家主(大家)負担
  • まとまった頭金が不要で、手元の流動資金を保てる
  • 負債(ローン)を抱えるリスクがない

賃貸のデメリット

  • 老後も家賃が発生し続け、年金生活では重くなる可能性
  • リフォーム・ペット・楽器演奏など自由に改変できない
  • 審査が通りにくくなる高齢期に住み替えの壁がある

持ち家のメリット

  • ローン完済後は居住コストが大幅に下がる(固定資産税・管理費のみ)
  • 資産として残り、売却・賃貸に転用できる
  • リフォームや改装が自由にできる
  • 住宅ローン控除(最大10年間)で税金が還付される

持ち家のデメリット

  • 転勤・転職・離婚などの際に住み替えが複雑になる
  • 建物の老朽化・大規模修繕の費用が発生する
  • 地価の下落・物件の資産価値低下リスクがある
  • 金利上昇リスク(変動金利の場合)がある

持ち家に向いている人・賃貸に向いている人

持ち家向きのケース

  • 同じ場所に10年以上住み続ける予定がある
  • 子育て環境を安定させたい
  • 頭金と毎月の返済が無理なく払える収入がある
  • 老後の居住費を確定させたい

賃貸向きのケース

  • 転勤・転職・独立の可能性がある
  • 独身・共働き夫婦でライフスタイルが変わりやすい
  • 頭金が少なく、住宅ローンで生活を圧迫したくない
  • 将来住む場所が決まっていない

よくある質問

賃貸と持ち家、どちらが経済的に得ですか?
一概にどちらが得とは言えません。賃貸は初期費用が少なく転居の自由がある一方、持ち家はローン完済後の居住コストが大幅に下がり資産として残ります。同じエリア・グレードで比較すると10年間の支払いはほぼ同水準になることが多く、物件の資産価値変動や転勤の可能性などで最終的な差が出ます。
住宅ローン控除はどのくらい節税になりますか?
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末のローン残高の0.7%が最長13年間、所得税から控除されます。例えばローン残高3,000万円なら年間21万円の税額控除です。控除しきれない分は住民税からも一部控除されます。
マンションを購入する際にかかる諸費用はどのくらいですか?
物件価格の3〜7%程度が目安です。主な費目は、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)、登記費用(登録免許税・司法書士費用)、住宅ローン関連費用(保証料・事務手数料)、火災・地震保険料などです。4,000万円の物件なら120〜280万円が諸費用として必要です。
変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきですか?
金利上昇リスクを避けたい場合は固定金利、当初の返済額を抑えたい場合は変動金利が向いています。変動金利は現在低金利ですが将来の上昇リスクがあります。返済期間中に金利が上昇しても対応できる余裕資金を持てる場合は変動金利、収入が安定しており確実な返済計画を立てたい場合は固定金利が適しています。
老後に賃貸は借りにくくなりますか?
高齢になると審査が通りにくくなるケースが増えています。保証会社や家主が高齢者の入居を断るケースがあるほか、年金収入だけでは審査基準を満たさない場合もあります。老後も賃貸に住み続ける計画の場合は、比較的早い段階から住み替えの選択肢を考えておくことが重要です。

参考・出典

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※ 試算は参考値です。実際の購入・賃貸の検討は不動産会社・FPにご相談ください。