年収の壁とは?103万・106万・130万・150万円の壁を早見表で解説
公開日: 2026年6月24日
「扶養の範囲内で働きたいけれど、年収はいくらまでに抑えればいいの?」——パートや共働きの世帯でよく聞かれる悩みです。年収の壁にはいくつもの金額が出てきて、しかも2025年の税制改正で一部が変わったため、混乱しやすくなっています。この記事では、年収の壁を「税金の壁」と「社会保険の壁」に整理し、早見表で全体像をつかめるようにまとめました。自分の年収だとどの壁を超えるのか、手取りはどう変わるのかを具体的に診断したいときは、記事末尾の年収の壁シミュレーターが便利です。
年収の壁とは
年収の壁とは、パートや配偶者の年収が一定額を超えると、税金や社会保険料の負担が増えるボーダーラインのことです。大きく分けると次の2種類があります。
- 税金の壁 — 超えると所得税・住民税がかかり始めたり、配偶者の控除が減ったりする。手取りが急減することは基本的にない。
- 社会保険の壁 — 超えると社会保険料の負担が新たに発生する。手取りが一時的に逆転する「働き損」が起こりうる。
意識すべきは、手取りへの影響が大きい社会保険の壁(106万円・130万円)です。税金の壁は、超えても増えるのは税額の一部だけなので、神経質になりすぎる必要はありません。
年収の壁 早見表
主な年収の壁を整理しました。金額は給与収入を前提とした一般的な目安で、勤務先の規模や年齢、自治体によって変わります。
| 年収の壁 | 区分 | 超えるとどうなる |
|---|---|---|
| 約100万円 | 税金(住民税) | 住民税がかかり始める(金額は自治体により異なる) |
| 103万→123万円 | 税金(所得税) | 本人に所得税がかかり始める。2025年改正で123万円へ引き上げ |
| 106万円 | 社会保険 | 勤務先の規模など一定の要件を満たすと社会保険に加入 |
| 130万円 | 社会保険 | 配偶者などの社会保険の扶養から外れ、自分で加入 |
| 150万円 | 税金(配偶者特別控除) | 配偶者特別控除が満額38万円から段階的に減り始める |
| 201.6万円 | 税金(配偶者特別控除) | これを超えると配偶者特別控除がゼロになる |
配偶者特別控除(150万円・201万円の壁)は、扶養している側(世帯主)の合計所得が一定額を超えると控除額が減る点にも注意が必要です。
2025年の税制改正で「103万円の壁」は123万円へ
2025年度(令和7年度)税制改正により、所得税がかかり始める年収のラインが103万円から123万円に引き上げられました。理由は、所得税の計算で誰でも差し引ける2つの控除が引き上げられたためです。
- 基礎控除 — 48万円 → 58万円(+10万円)
- 給与所得控除の最低保障額 — 55万円 → 65万円(+10万円)
この2つを足した123万円までは、給与収入だけなら所得税がかからない計算になります(58万+65万=123万)。2025年分から適用され、年末調整で反映されます。あわせて、19〜22歳の子を扶養する親の負担を軽くする特定扶養控除も、子の年収要件が103万円以下から150万円以下へと緩和されました。
なお、年収が低い層に基礎控除を上乗せする特例など、例外的な取り扱いもあります。仕組みが複雑なため、正確な非課税ラインはご自身の年収・状況で確認してください。
意識すべきは「社会保険の壁」(106万・130万円)
手取りへの影響が大きいのは社会保険の壁です。税金の壁と違い、超えると保険料という新たな負担が発生します。
- 106万円の壁 — 勤務先の従業員数や労働時間など一定の要件を満たすと、自分の勤め先で社会保険に加入します。なお賃金要件(月額8.8万円)は2026年10月に撤廃される方針が示されており、撤廃後はおおむね週20時間以上働くかどうかが主な基準になる見込みです。
- 130万円の壁 — 配偶者などの扶養から外れ、自分で健康保険・年金に加入します。保険料は年間20〜25万円程度かかるため、130万円を少し超えただけだと、かえって手取りが減る「働き損」が起こりえます。
「働き損」を避けるには、壁の手前で抑えるか、思い切って壁を大きく超えて働き、保険料を払っても手取りが増える水準(一般に160万円前後以上が目安とされます)を目指すか、いずれかの判断になります。賞与や残業代も年収に含まれるため、月収に波がある場合は年間合計で管理しましょう。
よくある質問
参考・出典
- 国税庁 — 所得税・基礎控除・配偶者控除に関する情報
- 厚生労働省「年収の壁」への対応 — 社会保険の壁・制度見直しに関する情報
本記事の金額は給与収入を前提とした一般的な目安であり、勤務先の規模・年齢・自治体・年度の制度改正によって変わります。制度は段階的に見直しが進んでいるため、正確な判断は最新の公式情報を確認のうえ、税理士・年金事務所・勤務先などにご相談ください。
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