てもりやてもりや

新卒1年目のお金の管理術

公開日: 2026年5月7日

手取り額はなぜ額面より少ないのか

「月給25万円と聞いていたのに、実際の振込が20万円しかない」——社会人1年目に多くの方が感じる驚きです。額面給与(総支給額)から差し引かれるものを理解しておきましょう。

月給25万円の場合の手取り計算(例)

  • 総支給(額面)250,000円
  •  健康保険料(約5%)-12,500円
  •  厚生年金保険料(約9.15%)-22,875円
  •  雇用保険料(0.6%)-1,500円
  •  所得税(源泉徴収)-4,780円
  •  住民税(2年目から)-約9,000円
  • 手取り(2年目以降)約199,000円

住民税は前年の所得に対してかかるため、1年目の6月まで(住民税が課税されるまで)は手取りが多く見えます。2年目の6月以降に住民税の天引きが始まり、手取りが減るタイミングに注意しましょう。

給与明細の見方:知っておくべき項目

給与明細は「支給」「控除」「差引支給額(手取り)」の3つのブロックで構成されています。

支給欄

  • 基本給 — 雇用契約で定められた固定の給与
  • 各種手当 — 住宅手当・通勤手当・残業手当など。通勤手当は月15万円まで非課税
  • 残業代 — 法定時間外は25%、深夜は50%以上の割増率が法律で定められている

控除欄

  • 健康保険・厚生年金 — 会社と折半(労使折半)で負担。実際は同額を会社も払っている
  • 雇用保険 — 失業時の失業手当等の財源。労働者が0.6%負担
  • 所得税(源泉徴収) — 毎月概算で天引きされ、年末調整で過不足が精算される
  • 住民税 — 前年の所得を基に計算。毎年6月に更新される

1年目からの貯蓄の始め方

「お金が余ったら貯める」ではなく「先に貯蓄額を確保してから使う」という先取り貯蓄が貯蓄の基本です。社会人1年目はまだ生活コストが固まっていないので、この習慣を最初から身につけるのが最善です。

おすすめの貯蓄ステップ

  1. 生活防衛資金を3〜6か月分確保する — まず手取りの3〜6か月分(60万〜120万円程度)を普通預金に積み立てます。急な病気・失業・引越しに備えるための「お守り資金」です
  2. NISA(つみたて投資枠)を月1〜3万円から始める — 生活防衛資金が貯まったら、長期の資産形成を始めます。インデックスファンドへの積立投資は少額から始められ、長期・分散・積立の基本を学べます
  3. iDeCoも検討する — 特に節税効果を実感しやすい年収400万円以上の方には、老後資金形成としてiDeCoも有効です

手取りに対する貯蓄率の目安

一般的に手取りの10〜20%を貯蓄・投資に回すことが推奨されます。手取り20万円なら月2〜4万円。最初から完璧を目指さず、まず1万円の積立から始めて徐々に増やす方が続きます。

年末調整とは?新卒が知っておくべきこと

毎年11〜12月頃に会社から「年末調整の書類」が配られます。これは1年間の所得税を精算する手続きです。会社員は原則として確定申告が不要ですが、年末調整で申告する控除には種類があります。

新卒が提出する主な書類

  • 給与所得者の扶養控除等申告書 — 基本的に全員提出。扶養している家族がいれば記入
  • 給与所得者の保険料控除申告書 — 生命保険・地震保険に加入している場合に記入(保険会社から10〜11月に届く「控除証明書」が必要)
  • 住宅借入金等特別控除申告書 — 住宅ローンを利用している場合(新卒では少ない)

生命保険に加入している場合、控除証明書を紛失しないよう大切に保管してください。書類の提出期限は会社によって異なりますが、概ね11月末〜12月初旬です。

よくある質問

入社1年目に住民税がかからないのはなぜですか?
住民税は「前年の所得」に対して課税されます。社会人になる前の年は学生で所得がほぼないため、入社1年目の6月まで住民税がかかりません。2年目の6月から住民税の天引きが始まり、手取りが数千〜1万円程度減るタイミングに注意が必要です。
社会人1年目から始めるべき貯蓄・投資は何ですか?
まず「生活防衛資金」として手取りの3〜6か月分(60〜120万円程度)を普通預金に確保してください。その後、NISA(つみたて投資枠)で月1〜3万円のインデックスファンド積立を始めるのがおすすめです。iDeCoは60歳まで引き出せないため、手元資金が少ない1年目はNISAを優先しましょう。
年末調整で損をしないために気をつけることは?
会社から年末調整の書類が配られたら必ず期限内に提出することが最重要です。生命保険に加入している場合は「生命保険料控除証明書」(10〜11月に保険会社から届く)を紛失しないよう保管してください。また、自分で確定申告が必要なケース(副業・医療費控除・ふるさと納税6か所以上)を理解しておきましょう。
給与明細の残業代が正しく計算されているか確認する方法は?
法定の残業割増率を確認してください。法定時間外(週40時間超)は25%以上、深夜(22時〜5時)は50%以上、法定休日は35%以上の割増賃金が法律で定められています。残業時間数 × 時給(月給 ÷ 月の所定労働時間数) × 割増率で計算できます。不明な場合は会社の労務担当か労働基準監督署に相談できます。
社会人1年目の適切な保険の入り方は?
会社員には「健康保険(傷病手当金あり)」と「雇用保険(失業手当あり)」が給与から天引きで加入します。このため、1年目の民間保険は最小限でよいケースがほとんどです。生命保険は扶養家族ができてから検討する、医療保険は高額療養費制度で月の自己負担が抑えられることを理解した上で加入を判断することをおすすめします。

参考・出典

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※ 計算はあくまで参考値です。実際の金額は勤務先・保険組合によって異なります。